「想い出のウエスタンカーニバル」コンサートリポート

 大好評頂いておりますオールディーズステーションの「想い出のウエスタンカーニバル」。
昨年も全国20ヶ所を超える会場でコンサートをお楽しみいただきましたが、その中から特に印象深かった大阪城ホール公演の様子をリポートしてみたいと思います。
動員目標1万5千人!大阪城ホールへの挑戦!
 
思い起こせば、この公演の計画が持ち上がったのは昨年2002年の初春でした。一昨年から、横浜アリーナ、マリンメッセ福岡、東京国際フォーラムと、大規会場での公演が目白押しだったこのシリーズですが、大会場でのコンサートを経験してきた故の、不安と期待が入り混じった、緊張感のあるチャレンジでした。
 収容人数7千5百名の会場で、昼夜2回公演。合計1万5千人のお客様を動員しなくてはならない。本当にそれだけのお客様にご来場いただけるのか?幕が上がるまでその不安が尽きることはありません。
台風直撃!コンサートの行方は
 
開催日は7月10日、なんとこの日運悪く台風7号が関西地方を直撃。そんな中、スタッフ一同と出演者のほとんどが前日に会場入りしていたのですが、田辺靖雄さん、九重佑三子さん夫妻とバンドメンバーの一部が当日大阪入りの予定でした。前日の時点で、天候が崩れるという予報にイヤな予感はしていたのですが、案の定その不安が的中してしまったのです。
 現地の事務局には朝から「田辺・九重夫妻が乗るはずだった飛行機が欠航」「バンドメンバーの新幹線がストップ」という緊急連絡が次々に舞い込んできたのです。無事幕は上がるのか?開演までの長い不安との戦いが始まりました。
外は台風!しかし準備は着々と進む

開演30分前
 午前11時、本番に向けての最終リハーサルがスタート。しかし、バンドメンバーは揃わず、田辺・九重夫妻にも到着の気配はありません。もし間に合わなくても、揃っている出演者・メンバーでなんとか形にするしかありません。そんな雰囲気に、いつもに増してリハーサルにも力が入ります。

 そしてその頃、田辺・九重夫妻はといえば、やっとの思いで名古屋までたどり着いていました。飛行機が欠航という情報が入った直後、急遽、新幹線に振り替え、東京駅を出発。このときは余裕で大阪到着を果たせる時間でした。しかし、なんと名古屋駅で新幹線がストップ。それ以降の運転再開の目途立たず、という事態に追い込まれました。このまま新幹線の復旧を待つのか?車での移動に振りかえるのか?しかし幸運にも近鉄線が運転を行っていることが判明!時間はかかりますが、これが最良の方法だとの判断で、名古屋から近鉄に乗換えを行い大阪を目指したのです。しかし、台風は強まるばかり。いつ列車が止まるかもしれません。そんな不安を胸に移動を続けていました。

 そんな中リハーサルは順調に進んでいました。遅れていたバンドメンバーもなんとか会場にたどり着き。本番一時間前、リハーサルは無事終了。定刻での開場を迎えることができました。しかし二人はまだ到着しません。半ばあきらめかけた開演30分前、長い移動の末、ついに田辺さん九重さんが到着したのです。楽屋も明るいムードに包まれやる気満々。しかし、まだすべての不安が消えたわけではありませんでした。

本番に向け真剣なリハーサルが続く
ちょっと貸してみな!俺だって弾けるんだぜ
どれだけのお客様がここに?
大歓声の中、客席から出演者が登場
関西ロカビリークラブの華麗なダンス
大歓声に包まれて
 
ついに開場時間となり巨大なホール内にお客様が入り始めました。しかし、この天候の中、いったいどれだけのお客様にご来場いただけるのだろう?不安がつのるばかりです。「あれだけ交通機関に乱れが生じたのだから、客席はガラガラかもしれない」。ここに来て開演時間の変更は不可能です。時間通りスタートするしかないのです。
 そしてついに開演の時間がやってきました。会場内に入場曲の「アット・ザ・ホップ」が流れ、ステージでは関西ロカビリークラブの面々が華麗なダンスを披露。そんな中、会場内に出演者が揃って登場しました。するとどうでしょう「台風なんか吹き飛ばせ」と言わんばかりの大歓声!なんと会場は満席の状態だったのです。
関西パワー炸裂!
 
さすが大阪公演。このコンサートが始まって以来、関西での盛り上がりはかなりのものがありましたが、この日のコンサートも大変な盛り上がりを見せました。関西在住の佐川満男さんが登場すれば客席からは黄色い歓声が!見る間にお客様が若返って行くようです。他の出演者だって負けてはいられません。パワー全開で客席を盛り上げます。
 そしていよいよプログラムは最後のロックンロールコーナーへ。ここで、かつてないハプニングが勃発!なんと仮設ステージが崩壊の危機を迎えたのです。毎回、ロックンロールコーナーではお客様にもステージ上がっていただき、出演者と一緒にステージ上でダンスを楽しんでいただくのですが、この日はあまりにも大人数のお客様に上がっていただいた為、ステージが持ちこたえられなくなってしまったのです。こんな状況を予測して、十分強度のあるステージを準備してはいるのですが、ちょっといつもと勝手が違ったようです。舞台監督はじめ各スタッフはステージ下で右往左往の大騒ぎ!いったいどうなっちゃうの?
 そんな時ステージに登場したのが我らがリーダー・平尾昌晃さん。一旦スタートした演奏を止め、状況を説明するという一場面が。でもそこまで盛り上げていただいたお客様、本当にありがたく、感謝の気持ちで一杯です。
観客も総立ちになったR&Rコーナー
ステージ上もこのとおり
佐川さん、その頭は?
感動のフィナーレへ
 
出演者も観客も燃えたR&Rコーナー。最後は客席全体が総立ちとなる中フィナーレを迎えました。各出演者と客席が再演を固く約束し合い、恒例となった「ラブ・ミー・テンダー」を大合唱。こうして台風騒ぎの中、それを吹き飛ばすほど揺れた大阪城ホール公演は幕を閉じました。
 楽屋に戻った出演者たちも興奮冷めやらぬ様子で、打ち上パーティでも上機嫌。ステージの様子や観客の反応を振り返り、皆、満足げな様子でした。そして、ここでも大阪再演の話が‥‥。
 それが現実となり12月には梅田コマ劇場での公演、今年のツアーも「大阪厚生年金会館」で幕を開けることになりました。
大阪での再演を誓ったフィナーレ
打ち上げでもその興奮は冷めず

このページのトップへ戻る